
本記事は2026年3月22日開催の「Mölkky Mania THE FINAL(モルマニファイナル)」特別企画として、大会運営のMölkky Mania様から寄稿いただいた内容を掲載しています。
2026年3月、各地の王者が集うMölkky Mania Presents 2025 FINAL CHAMPIONSHIP。
今回ご紹介するのは、11月に開催されたMölkky Mania Kawasaki -OPEN- Season.5-1を制したざわがしアルムナイです。
- 1. 他者の思考をインストールする:ざわ(石澤凌)
- 2. iPadで脳内を最適化する:ゆーーだい(上平雄大)
- 3. 「最低ライン」を引き上げる調整の達人:ひんがし(東修司)
- いざ、FINAL CHAMPIONSHIPへ!
- 全国モルックカレンダーニュースについて
チーム名は、メンバーのざわ、ひんがし、そしてゆーーだいの所属するりここうアルムナイを組み合わせたもの。
社会人生活や就活で多忙を極め、基本的に練習できるのは試合前の1時間だけという彼ら。しかし、そのハンデを感じさせない強さの秘密は、三者三様の徹底した分析力と、試合当日にピークを持っていく調整力にありました。

1. 他者の思考をインストールする:ざわ(石澤凌)
【所属:löwkey / BOYCOTT MONDAYS / löwUUD】
チームの発起人であり、普段はふわりやギャッサなどの小技を操るざわさん。
彼の真骨頂は、自分にない理論を貪欲に取り入れる「聞く力」と、独特の「切り替え術」にあります。

モルックでの広がり
最初の1年半ほどは、大学の同期たちと楽しく投げる日々を過ごしていました。しかし、同期たちが忙しくなり、活動が減少。そこで彼は足踏みすることなく、学外のコミュニティへと飛び出します。
「外部に出るようになって、いろんな人と組んで、勝てるようにもなってきました。勝つだけだと続かなかったと思いますが、モルックを通して色んな喋りができるのが、続けてこられた理由ですね」
「3秒間」の完全リセット
投擲エリア(カーリ)に入った瞬間、彼には必ず行うルーティンがあります。
「一回全部リセットして、3秒ぐらい『無』の時間を置くんです。そこから自分の中に入る。これは過去に高跳びをやっていた時のメンタルに近いですね」
この「空白の時間」を作ることで、直前のミスや周囲の状況を遮断し、常にフラットな状態で投擲に臨むことができます。
「聞く」ことで進化する
限られた練習時間を補うため、彼はコミュニケーションを武器にしています。
「自分は順手が得意ではないので、うまい人に『どう投げているか』を聞いたり、自分と似たタイプの人に『この場面どう考えますか?』と理論を積極的に聞くようにしています」
動画を見るだけでは分からない「思考」を直接聞き出し、自分の中にインストールする。その柔軟性が彼の強みです。
2. iPadで脳内を最適化する:ゆーーだい(上平雄大)
【所属:りここうアルムナイ / Z-ÖNE】
「モルマニの優勝が一番の戦績」と語る社会人1年目のゆーーだいさん。野球の経験をモルックに活かしています。

怪我に泣かされた日々を超えて
モルックとの出会いは、テレビや動画を見て「新しい趣味として面白そう」とセットを購入したのが始まりでした。 彼には小1から大3まで続けた野球の経験がありましたが、膝の手術をするなど怪我に悩まされ、思うようにプレーできないことがありました。そんな彼にとって、モルックは革命的でした。
「野球をやっている時は体がボロボロであまり思い通りにできなかった。でもモルックは適度な運動量で、体のことを気にせずに本気になれる。久しぶりに没頭できるものに出会えました」
モルッカーリは「バッターボックス」
彼にとって、モルックを投げる瞬間は野球の打席に立つ感覚に近いといいます。
「カーリの中に入った時の雰囲気が、バッターボックスに入った時のドキドキ感とすごく近くて。チャンスで回ってくるかもしれないし、ミスの後かもしれない。そのハラハラ感と、自分が主役になれる時間が面白いんです」
野球で培った経験を活かし、年齢や立場を超えた人々との真剣勝負を楽しんでいます。
iPadによる徹底的なフォーム分類
彼が行っているのは、自分の投擲動画の「仕分け」作業です。
「撮ってもらった動画をiPadの中で『良かった投擲』と『悪かった投擲』に分類して、どういう離れ方をしたら良かったのかを頭の中にフォームとして叩き込んでいます」
物理的に投げられない時間を、脳内のイメージトレーニングで補完し、理想のフォームを固めています。
「ガシャ」への信頼とリスク管理
彼が最も自信を持つのはガシャ。
「ガシャはミスってもリスクヘッジがきくからか、思い切って打つことができて、思い通りに倒せるイメージが実現できる気がするんです」
確率とリスクを天秤にかけ、最も期待値の高い選択をする。さらに「相手がどうやったら嫌がるか」という心理戦も好む、クレバーな勝負師です。
3. 「最低ライン」を引き上げる調整の達人:ひんがし(東修司)
【所属:DYUbee / SLAPS】
第11回日本大会ベスト4の実績を持つ実力者、ひんがしさん。
彼の安定感の正体は、自分のコンディションを客観視し、即座に対応する「修正力」にあります。

人の縁で始まったモルック
モルックを始めたのは2023年2月。きっかけは、現在所属するチーム「DYUbee」の練習に誘われたことでした。 彼が3年間モルックを続けてこられた理由は、勝敗以上に人との繋がりにあります。
「全く繋がりがなかった人ともチームを組んだり、大会ごとに新たな繋がりが更新されていくのが面白い」
始めた当初の1年半ほどは、ほぼ毎日のように一人で投げたり、仲間と練習したりと「量」をこなしていました。しかし最近は平日の練習時間を確保することが難しくなり、土日大会前後などに集中して投げるスタイルへと変化しました。
過去の経験から活かす分析力
練習量が減った中で彼がたどり着いたのが、動画分析と調整力です。 これには、元々やっていた少林寺拳法の経験が生きています。
「武道は体の使い方を指先まで意識するので、上手い人のフォームを見て分析し、自分の中に取り込む作業が似ている」
この分析力を活かし、現在は絶好調を目指すのではなく、調子が悪い日でも最低限戦えるラインをどう上げるか、という修正力を磨くことに注力しています。
「感覚が全然良くない日でも、最低限戦えるレベルまでどうやって持っていくか。その『最低ライン』を工夫して上げてきたことで、勝てるようになってきました」
絶好調でなくとも、その日の自分の状態を見極め、戦えるフォームや投げ方にアジャストする。この大崩れしない強さがチームの土台を支えています。
「ぬるっと」勝ち上がる美学
川崎大会では、気負わず「のびのびやれた」ことが勝因と語ります。
「全国の猛者たちがド派手なプレーをしている中で、あれ?と思われながら『ぬるっと』優勝してやりたいですね」
静かに、しかし確実に勝ち上がる。その落ち着き払った姿勢は、まさにチームの精神的支柱です。
いざ、FINAL CHAMPIONSHIPへ!
ざわさんが声をかけ、SNSでの募集を通じてチーム結成に3人。
全員が論理的にモルックを捉える「似たもの同士」であり、限られた時間の中で最適解を導き出すプロフェッショナルな集団です。 ざわさんはファイナルに向けてこう語ります。
「上手な方々が集まってくると思うので、そういう人達の技術を吸収すると同時に、自分が関東でやってきた戦術や技術、メンタリティっていうのがどれぐらい通用するのかを確かめる場所にしたいなと思います」
個々の「分析」と「調整」が噛み合った時、ざわがしアルムナイは誰にも止められないチームになります。
派手さはなくとも、したたかに頂点を狙う彼らの戦いにご注目ください!
取材・文:Mölkky Mania 永濵侑
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