
本記事は2026年3月22日開催の「Mölkky Mania THE FINAL(モルマニファイナル)」特別企画として、大会運営のMölkky Mania様から寄稿いただいた内容を掲載しています。
2026年3月、各地の王者が集うMölkky Mania Presents 2025 FINAL CHAMPIONSHIP。
今回ご紹介するのは、12月に開催された激戦のMölkky Mania Tokyo -OPEN- vol.4を制した、千葉を拠点に活動するTeam Kiitosです。
チーム名の「Kiitos」は、モルック発祥の地・フィンランドの言葉で「ありがとう」を意味します。代表のあつきさんの人生のテーマ「笑顔」を掲げて設立したこのチームは、今や全国でも屈指の実力と知名度を誇る団体へと成長しました。
競技としての厳しさとエンジョイとしての楽しさ。その両輪を完璧に回し、東京大会の頂点に立った二人の物語に迫ります。

- 1. 夢中になれる「遊び」を極めるリーダー:あつき(志賀充季)
- 2. 人生で一番「ガチ」になれる場所を見つけた男:いわちゃん(岩下侑輝顕)
- 3. 掴み取った「Tokyo -OPEN-」の栄冠
- いざ、FINAL CHAMPIONSHIPへ!
- 全国モルックカレンダーニュースについて
1. 夢中になれる「遊び」を極めるリーダー:あつき(志賀充季)
チームの創設者であり、圧倒的な「華」のあるプレーで観客を魅了するあつきさん。
彼のモルック人生は、まさに「直感」と「情熱」から始まりました。

「電撃」が走った運命の出会い
約2年半前、柏のアリオで開催されていたイベント。そこで初めてモルック棒に触れた瞬間、あつきさんの身体を電撃が駆け抜けました。
「触った瞬間に、これだ!という感覚があった。帰り道にはもうセットを注文していました」
その直感通り、彼はモルックにのめり込みます。大人になっても子供のように夢中になれる、勝負のハラハラ感がありつつも、大会でプレーをしている人全員を笑顔にするスポーツ。それこそが、彼がモルックを続けられる最大の要因です。
野球の内野手経験が生んだ「早投げ」の技術
あつきさんの代名詞といえば、投擲エリアに入ってからモルック棒を投げるまでのスピードが極めて速い「早投げ」です。 この技術のルーツは、かつて打ち込んでいた野球にあります。
「二塁手として、ゲッツーを取る時に素早く正確にトスする感覚。あの感覚が、モルックを投げる瞬間にリンクしているんです」 過去の内野手の経験が、実際にモルックでプレーするときの根幹となっています。
「遠投」に込めるこだわり
技術面で最もこだわっているのは、12mを超えるような「遠投」です。
「昔は12m遠投を投げるという選択肢自体が少なかったけれど、自分はそこをしっかり順手で取りきることにこだわりたい。遠くのものが当たった方が、見ている人も楽しいじゃないですか」
自分を「魅せる」こと。そして、それによって周囲を笑顔にすること。その信念が、勝負どころでの驚異的な命中率を支えています。
己の弱さと向き合う「メンタル調整」
実は「午前中の予選は集中力が入りにくい」という課題を抱えていたあつきさん。 しかし、相方のいわちゃんから「思い込みすぎじゃないですか?」と指摘されたことをきっかけに、最近は自分の感覚をシンプルに整えることに注力しています。 「集中できない、と言うのをやめて、ただ試合に入っていく。その素直な感覚を大事にしています」
2. 人生で一番「ガチ」になれる場所を見つけた男:いわちゃん(岩下侑輝顕)
2025年の日本選手権で個人6位という輝かしい実績を持ついわちゃん。
物静かな佇まいの中に、誰よりも熱い向上心を秘めた実力派です。

1人で練習会に飛び込んだところから始まるモルック道
テレビ番組を見て興味を持ち、最初は友人と遊び始めたのがきっかけでした。 そのときに「自分、結構うまいかも」と自覚。
「そのあと何度か練習をしてからでもなく、すぐに練習会を探し、一人でTeam Kiitosの練習会に乗り込んだのがきっかけですね」
その行動力が、彼の運命を大きく変えることになりました。
「自力」で磨き上げた唯一無二の精度
いわちゃんの凄みは、その圧倒的な「自学自習」の精神にあります。 あつきさんによれば「いわちゃんからアドバイスを求められたことはほとんどない」とのこと。 2〜3日に一度は、仕事の昼休みや終業後に一人で公園に向かい、黙々と棒を振り続けます。
「テーマを決めないとダラダラしてしまうから、たとえば最近は『突き刺しカッサ』の日、と決めて投げ抜くんです」
誰にも頼らず、自分で考え、自分で強くなる。そのストイックな姿勢が、日本トップクラスの技術を形成しました。
水平な軌道が生む安定感
いわちゃんが自身のアピールポイントとして挙げるのは、順手で投げる際の「棒の水平さ」です。 「無意識なんですけど、手の感覚がいいのかもしれません。軌道の綺麗さには自信があります」
実際にこの水平さこそがスキットルと棒が当たる面積を最大化し、試合中の安定感に繋がっていると言えるでしょう。
チームのための「リスク管理」
個人戦では「ガンガンリスクを取って攻める」スタイルですが、チーム戦では「相方の得意・不得意」を考慮した緻密な戦略家へと変貌します。
「チームになると自分自身が少し慎重になる部分もありますが、当てなければならないものをどれだけ取り切れるか、そこを外さないように、どう組み立てるかを常に考えています」
3. 掴み取った「Tokyo -OPEN-」の栄冠
あつきさんが「今までの優勝で一番印象に残った」と語るのが、12月のモルマニ東京での優勝です。 特に決勝戦の第3セットは、ドラマチックな展開の連続でした。
あつきさんのフラモル(一投目のミス)から始まり、一時は「終わった」と絶望すら漂った局面。 しかし、そこで二人の絆が光ります。 「もう行くしかないっすよ」といわちゃんがあつきさんの背中を押し、あつきさんが見事に12点の遠投を成功させて流れを引き戻しました。 最後はいわちゃんが、練習で磨き上げた「3の斜めふわり」を決めて勝負あり。
「個人戦の優勝よりTeam Kiitosでの優勝の方がはるかに嬉しい。想いが違うから」と語るあつきさんの言葉通り、お互いを信頼し切った末の勝利でした。
いざ、FINAL CHAMPIONSHIPへ!
あつきさんはいわちゃんのことを「優しさと男らしさを兼ね備えた、最高の相方」と評し、いわちゃんもまた、あつきさんが作るチームの空気を大切にしています。
ファイナルに向けての意欲も十分です。 「勝つのは当たり前。それよりも、全国の猛者たちとどれだけ喋り、楽しめるか」と語るあつきさん。 いわちゃんも「大阪や北海道など、普段戦えない強い人たちと対戦できるのが楽しみで仕方ない」と目を輝かせます。
「笑顔」を最大の武器に、楽しみながら、しかし冷徹なまでの精度で勝利を奪いに行く。
Team Kiitosの二人が、ファイナルの舞台でも最高に美しい「笑顔」の景色を見せてくれるはずです。
取材・文:Mölkky Mania 永濵侑
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