
本記事は2026年3月22日開催の「Mölkky Mania THE FINAL(モルマニファイナル)」特別企画として、大会運営のMölkky Mania様から寄稿いただいた内容を掲載しています。
2026年3月に開催されるMölkky Mania Presents 2025 FINAL CHAMPIONSHIP。各地の激戦を勝ち抜いた猛者が集うこの舞台に、愛知県から名乗りを上げたのが、2025年7月のMölkky Mania Osaka -OPEN- vol.8で頂点に立った「トヨタボーイズ」の二人です。
チーム名は、二人の地元である愛知県豊田市に由来します。 「地元愛が強い」と語る通り、特定の競技チームに所属するのではなく、中学校時代からの友人同士が「遊び」の延長線上で結成したという、極めて自然体なチームです。
28歳となった今も、15年来の絆で結ばれた二人が、なぜ大阪の地で強豪を次々と破り優勝することができたのか。その裏側には、これまでのスポーツ経験に裏打ちされた緻密な理論と、驚異的な集中力がありました。

- 1. 「歩測と振り幅」のゴルフ理論を転用する精密射手:おかだ(岡田拓己)
- 2. ラグビーのパスと「ゴミ箱投げ」が生んだ天才肌:りきと(磯部力斗)
- 3. 15年の絆と「ホームグラウンド」での猛練習
- いざ、FINAL CHAMPIONSHIPへ!
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1. 「歩測と振り幅」のゴルフ理論を転用する精密射手:おかだ(岡田拓己)
モルック歴は約4年。 テレビ番組で競技を知り、自らセットを購入したことが全ての始まりでした。 おかださんは、学生時代に打ち込んでいた野球の経験よりも、現在趣味としている「ゴルフ」の感覚がモルックに直結していると分析します。

距離感を視覚化する「歩測」の技術
おかださんの投擲を支えているのは、ゴルフで培った距離感の作り方です。 「歩測をしてどれくらいの距離かを確認し、自分の中で距離の基準を作る」というプロセスを徹底しています。 単に感覚で投げるのではなく、腕の振り幅を「ここまで引いて、ここまで振る」と明確に決めることで、再現性の高いショットを生み出しています。
「体の開き」を抑える上半身の制御
技術面においても、ゴルフのスイング理論をモルックに取り入れています。 投擲時に上半身が開いてしまうと、放たれたモルック棒は右へと逸れてしまいます。 「開きを抑えて投げる」という意識はまさにゴルフそのものであり、指先だけでなく全身の連動でピンを射抜くスタイルが、彼の持ち味です。
一方で、おかださんはこのチームのチャームポイントを「大事な場面で簡単なミスをしてしまい、50点を超えてバーストしてしまうところ」とユーモアを交えて語ります。 今大会の優勝についても「磯部におんぶに抱っこだった。全部決めてくれた」と謙遜しますが、彼の理論的な距離作りがチームの安定感に寄与していたことは間違いありません。
2. ラグビーのパスと「ゴミ箱投げ」が生んだ天才肌:りきと(磯部力斗)
おかださんの誘いでモルックを始めた磯部さんも、同じく4年のキャリアを持ちます。 彼の技術のルーツは、野球とラグビーという二つのスポーツ、そして意外な「特技」にありました。

下投げの感覚は「ラグビーのパス」から
ラグビーにおいて、低い位置から放たれるアンダーハンドのパス。 りきとさんは、モルックの投法とこのラグビーのパスにおける「距離感覚」が非常に似ていると感じています。 具体的なフォームを理屈で固めるよりも、「ほぼ感覚で覚えている」という天才的なセンスを持ち、特に指先の微細な感覚を大切にしています。
原点は「遠くのゴミ箱へのゴミ投げ」
もう一つ、彼が挙げたユニークな共通点が「遠くのゴミ箱にゴミを投げて入れること」です。 昔からこの動作が得意だったというりきとさんは、放物線を描いて対象物を狙うモルックの特性を直感的に理解していました。 「面白いスポーツがあるんだな」という好奇心から始まった彼のモルック道は、今や決勝の勝負所を任される絶対的なエースへと昇華しました。
「周囲の音が消える」極限の没入状態
大阪大会の決勝戦、勝利を決める最後の一投。 りきとさんはその瞬間を「周りの音が聞こえないほど集中していた」と振り返ります。 ピンが倒れた瞬間に沸き起こった拍手や歓声によって、ようやく我に返るほどの没入。 「当たった瞬間は本当に気持ちよかった」と語るその勝負強さが、トヨタボーイズを頂点へと押し上げました。
3. 15年の絆と「ホームグラウンド」での猛練習
二人は中学校の野球部時代からの友人であり、今年で28歳になる同い年です。 長い付き合いだからこそ、過度な緊張感はなく、普段からボードゲームで戦う際のような「戦略を練る面白さ」をモルックにも見出しています。
平日毎晩3時間のハードワーク
遊びから始まった二人ですが、その練習量は並大抵ではありません。 去年の5月頃には、豊田市内にあるホームグラウンドの公園に仕事終わりの夜7時や8時に集まり、夜10時までほぼ毎日2〜3時間投げ込んでいました。 この時期の圧倒的な投球数が、二人の技術を「大会に出たらどこまで行けるか試してみたい」と思わせるレベルまで引き上げたのです。
「トヨタ市」を背負って遠征を繰り返す
愛知県内での大会が少ない時期には、神奈川、千葉、東京、そして今回の大阪と、全国各地へ遠征を繰り返してきました。 「トヨタボーイズ」という名前には、顔が似ていて「兄弟みたい」と言われるほど気の合う二人の、地元への強い愛情が込められています。
いざ、FINAL CHAMPIONSHIPへ!
3月のファイナルに向けて、二人は力強く宣言します。
おかださんは、今年の目標である「ゴルフで70台」という個人的な目標も掲げつつ、モルックにおいても「優勝するぞ!」と闘志を燃やしています。 徹底した距離制御と冷静な判断で、チームを勝利へ導く覚悟です。
りきとさんは、大阪大会での劇的な幕切れを再現すべく、「ファイナルでも優勝します!」と語ります。 極限状態で発揮されるあの「ゾーン」の再現が、全国制覇への鍵となるでしょう。
豊田市の公園で夜な夜な棒を投げ続けてきた二人が、全国の舞台で再び「トヨタボーイズ」の名を轟かせる。15年の友情が生む阿吽の呼吸と、異競技の感性が融合した時、再び奇跡が起こるはずです。
取材・文:Mölkky Mania 永濵侑
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