日本モルック協会が「選手登録制度」の導入を発表。2024年4月から開始

一般社団法人日本モルック協会（JMA）は、2024年4月から選手登録制度を導入することを、公式サイトにて発表しました。

ソース

molkky.jp

概要

JMAは「モルックをプレイするすべての皆様に、より豊かで充実したスポーツ体験を提供することを目的」とし、来年度から開始する選手登録制度（以下JMA選手登録）を、2024年1月1日から受け付けることを発表しています。

主な目的として以下の3点を挙げており、

選手の身元確認と競技資格の確保
競技者のプロフィール管理
競技組織とのコミュニケーション

直近で選手に大きな影響があるメリットとして、「日本選手権大会等への参加権利」と「世界大会参加優先権」を紹介しています。

日本選手権大会とは

現在開催している公式大会とは別に、以下の大会を開催する予定であると記載しており、

都道府県別（大会）
地区ブロック別（大会）
日本選手権
学生選手権

これらに参加するためにはJMA選手登録をしていることが条件となることを明らかにしています。

なお、既存のオープン大会（日本大会、ジャパンオープン）については引き続きオープン大会としてJMA選手登録を要件とないことも記載しています。

確定ではありませんが、都道府県別・地区ブロック別大会が日本選手権の予選として存在すると思われ、より大規模な公式大会が誕生することが見込まれています。

世界大会参加優先権

2024年、北海道函館で8月に開催されるモルック世界大会について、エントリー優先権としてJMA選手登録であるか否かが関係することも明らかにしています。

おそらくこの「優先権」が、以前より注目を集めていた、2024年世界大会の「先行エントリー」に関係していると思われます（大会特設ページの記載は更新されていないため、確定ではありません）。

www.mm2024-hakodate.jp

2024年2月1日から開始する先行エントリーは160チーム先着で行われますが、具体的なエントリー資格は現状でもまだ分かっておらず、今回のJMA選手登録制度を受けても、例えば以下のような疑問点は残っています。

チーム全員がJMA選手登録をする必要があるのか。
JMA選手登録はエントリーに対していつまでに行う必要があるのか。

国別代表選手選考制度の変更

今回の発表の中で、これまで「JMAポイント」と呼ばれる公式・公認大会での成績の累積を競う代表選手制度については2024年世界大会に用いられるのが最後となり、2025年以降は、今回新規に発表された日本選手権などのJMA選手登録が必要な大会における成績を考慮して選手選考を行うことも合わせて発表されています。

JMAポイント制度は2023年、2024年世界大会について採用され、代表選手選考レースとして選手間では注目を集めていましたが、一方で毎月のように全国各地の大会に参加することが求められたり、一部のルール設計がフェアな選考にプラスではない影響を与えているという声もありましたが、新制度の内容がどのようになるかは今のところ明かされていません。

参考：現行の選考制度

今後のスケジュール

2024年1月から、「2024年4月～2025年3月」を対象とした選手登録の受付が開始されます。なおJMAの記載によると、2024年4月以降に途中から登録をすることも可能となっており、日本選手権など対象の大会への出場を決めてから登録を行う、という判断でも問題はなさそうです。

課題点

選手登録プラス様々なコスト増加

今回の選手登録については、一般選手は登録料3,500円（+プラスシステム料）、学生・ジュニア選手はそれぞれ2,000円、1,000円（+プラスシステム料）を支払うこととなります。また、年度ごとに更新するため、選手を続ける限りはこの登録料を支払い続けることになると思われます。

日本モルック協会の制度としては、他にも公認団体や指導者・審判ライセンスの制度があり、これらはJMA選手登録とは異なり大会出場の要件になるなど必須性は高くないですが、それぞれ以下のような費用が求められます。

公認団体：入会金10,000円、年会費10,000円
指導員：指導員講習受講料5,000円、年会費3,000円または月額300円
審判員：現在HPに費用についての記載なし

どちらかというとお金のかからない趣味という立ち位置のモルックでしたが、本格的なスポーツとしての整備が進むに連れ上記のような費用が発生するようになってきています。

今後、JMA選手登録制度も含めこれらの費用に見合うメリットがユーザーにもたらされるのかということについても注目が集まりそうです。

情報発信について

選手登録をするメリットとして「MYページにて、デジタル登録証の発行や公式ルールの改定発表等を行」うとありますが、公式ルールの改定発表は会員サイトの中で行う必要性は薄く、登録・非登録を問わず全体に周知する形で、これまで通りHPでの公開を続けていくべきであり、特に会員サイト内に限定する必要性はないと思われますが、どのように情報展開をしていくのかについては、今回の記事だけでは判明していません。

現状ではまだ明らかになっていない点が多い選手登録制度ですが、今後どのように活用されていくのか注目が集まります。